【コスモグラフ・デイトナ】卓越した人気の理由とおすすめ型番を解説
ロレックスのなかでも根強い人気を誇るコスモグラフ・デイトナ。ロレックス唯一のクロノグラフともいわれており、数々の逸話と長い歴史のあるモデルです。
今回は、デイトナが人気の理由や歴史、おすすめの型番について解説していきます。コスモグラフ・デイトナの購入を検討している方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
目次
ロレックス唯一のクロノグラフ「デイトナ」
コスモグラフ・デイトナはロレックスで唯一クロノグラフが搭載されている機種です。
クロノグラフとは、ストップウォッチ機能のことを指します。
クロノグラフは航空や軍用に開発された機能ですが、コスモグラフ・デイトナはプロカーレーサーのニーズに対応して製造された機種です。 時間計測だけでなく、速度計測や耐久性なども求められるレースの現場に対応できるのが特徴で、レーサーからの厚い信頼を得ています。
現在はカーレーサーの間だけでなく、日本やアメリカ、ヨーロッパでも人気が高い商品です。とくにヴィンテージモデルは、市場価格が高騰しています。
デイトナの歴史
ここからは、ロレックス唯一のクロノグラフ機能搭載モデルであるデイトナの歴史について解説していきます。
デイトナ誕生から2000年以後のデイトナの現在に至るまでの歴史をみていきましょう。
1963年 デイトナ誕生
1959年にサーキットコース「デイトナ・インターナショナル・スピードウェイ」が、アメリカ・フロリダ州のデイトナビーチに誕生します。このサーキットコースにロレックスが協力したことで、デイトナの歴史は始まりました。
1962年にはデイトナのオフィシャル・タイムキーパーになり、1963年にデイトナの名前を冠した「コスモグラフ・デイトナ」が正式に発表されます。
カーレーサーが試合中も使いやすいように、計時機能を強調したデザインになっているのが特徴です。
文字盤の中にあるさらに小さな文字盤である「インダイアル」には、反転カラーを採用しています。
また、速度計測をする「タキメーター」の目盛りを、メーターの周りに取り付けるリング状の部品である「ベゼル」に移しているのもコスモグラフ・デイトナの大きな特徴です。
メーター内の文字盤に小さな目盛りを取り付けるのではなくベセルに移すことで、より視認性に優れたデザインになっています。
デイトナのオリジナルデザインは、他社とは一線を画す視認性に優れたモデルとして知られるようになりました。
1965年には、ねじ込み式プッシュボタンとプラスチックベゼルが備え付けられたものが登場します。記念としてダイアルには「DAYTONA」という文字が刻まれました。
1988年 パーペチュアル化とブームの到来
1988年にデイトナは正式にシリーズ化され、このときパーペチュアル化も果たされました。
パーペチュアルとは、ゼンマイで巻くことなく完全自動で動く時計を指します。
ゼンマイで巻くタイプの時計は、巻き終わったあとにリューズと呼ばれるパーツをねじ込む必要があります。ねじ込みを忘れるとそこから浸水し、故障の原因にもなっていました。そこで開発されたのが、リューズのねじ込みが必要ないパーペチュアルです。
この頃のデイトナは、ゼニス社が手がけた自動巻きのクロノグラフである「エルプリメロ」を採用しています。エルプリメロは、針の振動が細かく精度が高いという利点がありますが、採用されているのは16520のみとなっています。
当時のデイトナは積極的な宣伝活動をしていなかったこともあり、GMTマスターやエクスプローラーなどと比べて認知度は低めでした。しかし、ファッション誌「ヴォーグ」への掲載をきっかけに広く知られるようになり、爆発的な人気を獲得します。
2000年~ マニュファクチュール化と豊富なバリエーション展開
2000年にデイトナは、ついに自社製クロノグラフ・ムーブメントの開発に成功します。
自社の製造過程を確立する「マニュファクチュール化」を果たし、偽造防止のためサファイアクリスタルに王冠マークの透かしを刻印しました。
2004年にはホワイトゴールド製ブレスレット採用の116509、2008年にはデイトナ初となるエバーローズゴールドが登場しています。
さらに、2011年には「セラミックベゼル」がデイトナに初めて採用されたほか、2013年のデイトナ誕生50周年には、ロレックスのスポーツタイプ初となる「プラチナモデル」が採用されました。
その後も、2016年にはステンレスモデルにセラクロムベゼルを搭載した116500LNが登場し、2017年にはラバーストラップ仕様のゴールドモデルが発表されるなど、材質や文字盤のバリエーションが豊富に展開されています。
コスモグラフ・デイトナの魅力とは
ここからはコスモグラフ・デイトナの魅力について解説します。
アイコニックなデザイン
ロレックスで唯一のクロノグラフであるデイトナは、ベゼル・ミニッツトラック・3つのカウンターで構成される5つの円が、アイコニックなデザインを形成しています。
ホワイトの文字盤にブラックのカウンターという特徴的なダイアルデザインは、高い視認性をもたらしました。コレクターの間で「パンダ」とも呼ばれ、親しまれています。
実用性に優れたクロノグラフ機能
デイトナは、カーレースでのニーズを想定しているため、レースの経過時間や、平均速度を計測できるよう設計されています。
速度に関しては、最高時速400㎞まで計測が可能です。また、カーレースだけでなくジョギングなどの時間を測るスポーツや、防水機能を生かしてヨットなどの水上スポーツにも使用できます。
116520以降のモデルでは、自社開発されたCal.4130により安定性と堅牢性が改善されました。優れた実用性を兼ね備えているため、多くのスポーツマンに選ばれるモデルとなっています。
高い資産価値
デイトナは、ロレックスのなかでも資産価値が高いモデルとして知られ、すべてのモデルで大きく定価を上回る相場となっています。
多少の変動はあるものの、ここ数年間の資産価値は右肩上がりで推移しており、プレミア相場であることは間違いありません。
「高く売れるロレックスの代表格」ともいわれるデイトナの値崩れのしづらさや不動の人気ぶりがうかがえます。
【市場価値を解説】ロレックス コスモグラフ・デイトナのおすすめ型番《6選》
ここからは、ロレックスのコスモグラフ・デイトナのおすすめの型番を、市場価値とともにご紹介します。
デイトナのおすすめ型番は次の6つです。
- デイトナ 6263
- デイトナ 6265
- デイトナ 16520
- デイトナ 116520
- デイトナ 116500LN
- デイトナ 126500LN
それぞれの特徴についても解説していきます。
デイトナ 6263
デイトナ6263はロレックスの最後の手巻きクロノグラフモデルです。またプラスチックベゼルを搭載している最後のモデルでもあります。
レトロな雰囲気が人気のプラスチックベゼルを採用している6263は、デイトナのなかでもロングセラーモデルといわれています。
性能面では、50m防水を採用し、当時のクロノグラフの時計では世界初の高い防水性を誇っています。
ムーブメントとして搭載されたCal.727は精度と安定性に優れており、普段使いしやすいと絶大な人気でした。
デイトナ6263の買取価格は、現在(※)800万円〜1200万円です。レトロなデザイン性と、プラスチックベゼルを使用した最終モデルであることから、高くても欲しがるコレクターは非常に多くいます。
デイトナ 6265
デイトナ6263と同じ世代のモデルに、「デイトナ6265」があります。最後の手巻きクロノグラフモデルであり、こちらはメタルベゼルを採用しているのが特徴です。
プラスチックベゼルの6263に比べると人気はやや劣りますが、これぞデイトナといった精悍な雰囲気がみられます。デイトナ6265の買取価格は現在(※)600万円〜900万円で、6263に比べるとやや落ち着いた水準です。
また、6263・6265ともに「DAYTONA」表示なしのモデルがあります。表示がないものは非常にレアケースであり、上記よりも価格が上回る場合もあります。
デイトナ 16520
1988年、ロレックス初の自動巻きクロノグラフモデルとして登場したのが、デイトナ16520です。
ブラック・ホワイトの文字盤カラーに、インダイアルのサークルを縁取ったデザインは、現在のデイトナにもみられる特徴です。 16520から現在のデイトナのデザインが確立したといえるでしょう。
相場は2020年に一旦下降したものの、それ以降は急速に右肩上がりとなっています。
また2023年に新作が発表されたことで、歴代のデイトナにも注目が集まっています。気になるデイトナ16520の買取価格は、現在(※)400万円前後です。
デイトナ 116520
前作と比べてデザイン面の変更はあまりみられないものの、自社製クロノグラフムーブメントCal.4130を新たに搭載したのが、デイトナ116520です。
新しい自社製クロノグラフムーブメントを採用したことで、スペックもアップデートされています。パワーリザーブが72時間に延長されたり、パラクロム・ヒゲゼンマイが搭載されたりしたことで、耐衝撃性などのグレードアップにつながりました。
デイトナ116520の買取価格は現在(※)400万円前後と、デイトナの中でも比較的手ごろな価格です。しかし近年上昇の一途をたどっており、なかでも高年式の相場は高くなっている傾向です。
デイトナ 116500LN
デイトナ116500LNは、デイトナの現代化によって人気を博したモデルで、デイトナ人気を押し上げた存在として知られています。
前作からスペックに大きな変更点はないものの、メモリ部分にプラチナがコーティングされ、視認性が高まりました。
また、ベゼルにメタル素材からセラミックを素材としたセラクロムを採用しています。相場も右肩上がりを続けている印象です。
現在(※)、デイトナ116500LNの買取価格は白文字盤が440万円前後、黒文字盤が400万円前後となっています。
デイトナ 126500LN
現在も販売されているデイトナ126500LNは、2023年に登場したモデルです。ブラックのセラミック製タキメーターベゼルが美しく、耐蝕性にも優れています。
デイトナが誇る豊富なバリエーションも健在で、ムーブメントもアップグレードされています。
デイトナ126500LNの販売価格はどのモデルも一律で197万4,500円です。
また現在(※)の買取価格は約580万円と、これからの価格高騰も見込まれています。
※2023年12月現在
コスモグラフ・デイトナを愛用している有名人
ここからは、コスモグラフ・デイトナを愛用されている有名人をご紹介します。
ジャスティン・ビーバー
ジャスティン・ビーバーが愛用しているのはデイトナ116528で、イエローゴールドが目立つデザインです。
ジャスティン・ビーバーはロレックスのファンであり、デイトジャスト・デイデイトも所有しているといわれています。
エド・シーラン
エド・シーランは、レインボーが際立つデザインが特徴のデイトナ116599を愛用しています。
ポール・ニューマンモデルやデイトナ116500LNなども所有しており、ネットでも話題になっています。
クリスティアーノ・ロナウド
世界でも人気のサッカー選手、クリスティアーノ・ロナウドは、デイトナ116528Gを愛用しています。
サッカーだけでなくファッションでも注目を集めるクリスティアーノ・ロナウドですが、デイトナ116528G以外のロレックスモデルも所有しているそうです。
ヴィクトリア・ベッカム
会社経営者やデザイナーなどあらゆる顔を持つヴィクトリア・ベッカムは、デイトナ116505エバーローズゴールドを愛用しています。
ほかのゴールドモデルよりも耐久性に優れていることでも知られており、ヴィクトリア・ベッカムも多様なシーンで愛用しているようです。
ポール・ニューマン
俳優でありながらカーレーサーという異色の経歴の持ち主であるポール・ニューマンも、デイトナを愛用しています。
愛妻からプレゼントされたデイトナ6239を愛用していたことから、デイトナ6239は後に「ポール・ニューマンダイアル」とも呼ばれています。
主にレースで使われていたというデイトナは、2017年にオークションに出され、20億円という驚愕の金額で落札されました。
まとめ
今回は、コスモグラフ・デイトナの魅力やその歴史、おすすめの型番について解説しました。
高い資産価値をもち、数々の有名人にも愛用されるデイトナは、まさにロレックスを代表するモデルといえるでしょう。
コスモグラフ・デイトナが気になる方や購入を検討している方は、ぜひ本記事を参考にお気に入りのモデルを選んでみてください。