シードゥエラー・ディープシーの特徴と中古価格、買取相場を徹底解説!
シードゥエラー・ディープシーは、オーバースペックともいえる機能性を備えたプロ向けダイバーズウォッチです。その無骨な外観や圧倒的な性能にロマンを感じるファンが多く、ひと味違ったロレックスを手に入れたいと購入を検討する方も多くいます。
今回は、シードゥエラー・ディープシーの特徴や歴史、市場相場などについて解説します。
目次
シードゥエラー・ディープシーとは
シードゥエラー・ディープシーは、ダイバーズウォッチである「シードゥエラー」のハイエンドラインとして2008年に登場しました。
シードゥエラーは1971年にサブマリーナーの上位機種として誕生したモデルで、「海の居住者」を意味する名前のとおり、高い防水性能を誇っています。
シードゥエラー・ディープシーは、そんなシードゥエラーを超える3,900m防水を実現したシリーズです。
なお、「ディープシー」の名はシードゥエラーの起源である「ディープシー・スペシャル」から付けられました。シードゥエラーについては下記の記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
関連記事:「ロレックスのシードゥエラーとは?歴史や魅力、買取価格などを徹底解説」
シードゥエラー・ディープシーとシードゥエラーとの違いは?
シードゥエラー・ディープシーはシードゥエラーから派生したモデルですが、機能や素材などに違いがあります。特に注目したいポイントは下記の4点です。
・サイクロップレンズの有無
・ケースサイズと厚み
・防水性能
・素材
特徴とあわせて解説します。
【1】サイクロップレンズの有無
サイクロップレンズとは、3時の位置に設置されている日付を拡大表示する機能で、これにより視認性を高めることができます。現在ではロレックスの多くのモデルで採用されているため、目にしたことがある方も多いはずです。
もともとシードゥエラーには、このレンズが搭載されておらず、2017年に誕生した5代目であるRef.126600で初めて搭載されました。
しかし、ハイエンドラインであるディープシーにはより高い防水能力が求められることから、サイクロップレンズが省かれています。
【2】ケースサイズと厚み
シードゥエラー・ディープシーとシードゥエラーは、ケースサイズと厚みも異なります。
シードゥエラーには長年40mmのケースが使われていましたが、現行モデルのRef.126600では43mmに変更されました。従来のサイズに慣れていた方だと、43mmでも大きいと感じがちです。
しかし、より水深が深い場所でも耐えられるようシードゥエラー・ディープシーには、さらに大きい44mmケースが採用されているのです。
人によってはかなり大きいと感じる場合もあるため、できれば購入前に試着してみることをおすすめします。
【3】防水性能
サブマリーナーの上位機種として生まれたシードゥエラーは防水性能が高く、初代が610m、その後は1,220mまで耐えられるよう設計されています。
シードゥエラー・ディープシーは、そんなシードゥエラーをはるかに超える3,900mまでの防水性能を備えているのが特徴です。
趣味でダイビングをする場合、潜れる深さが40mまでと決められているため、これほどの機能は必要ないかもしれません。しかし、深海に潜水するダイバーにとってはかなり魅力的な時計であるといえます。
【4】素材
シードゥエラー・ディープシーとシードゥエラーは、素材にも異なる点があります。シードゥエラーは、ケースの裏蓋にステンレススチールが採用されています。
一方、ディープシーは水圧から時計を守る「リングロックシステム」の搭載にともない、グレード5チタンが採用されているのです。なお、グレード5チタンは2022年に発表されたRef.136660から、RLXチタンという名称に変更されています。
現在発売中の対象モデルはこちら
シードゥエラー・ディープシーの歴史
ここからは、シードゥエラー・ディープシーについてより深く理解するために、その歴史を紹介します。
2008年 シードゥエラーのコンプリーションモデル「ディープシー」が誕生
シードゥエラー・ディープシーの前身となるシードゥエラーが誕生したのは、1967年のことです。
初代シードゥエラー Ref.1665は、当時のサブマリーナーを超える610m防水と、ヘリウムガスを排出する特許機構を搭載したことで、プロ向けのダイビングツールとしての地位を確立しました。
1978年に登場した第二世代のシードゥエラー Ref.16660ではさらに防水性能が向上し、その水深は初代の2倍にあたる1,220mに達しています。
その後に発表された第三世代のRef.16600でもその高い防水性は維持されており、1991年から2008年の生産終了まで、長きにわたって多くのファンに愛されてきました。
第三世代の生産が終了した2008年に誕生したのが、シードゥエラー・ディープシー Ref.116660です。
ロレックスがもつ防水技術を駆使して開発された同モデルは3,900m防水と、シードゥエラーはもとより当時の量産機械式時計のなかでも最高クラスの防水性能を誇りました。
また、グライドロックやリングロックシステムといった画期的な機能を備えていた点でも注目されました。
グライドロック
グライドロックとは、ロレックスのダイバーズウォッチに搭載されている特許取得のバックル構造です。バックルのなかにブレスレットの延長部分が収納されており、ロックを解除すれば工具なしでブレスレットのサイズを変更できます。
厚手のダイビングスーツの上からでも簡単に腕時計を装着できる機能として、現在ではロレックスの全ダイバーズウォッチに搭載されています。
リングロックシステム
リングロックシステムは、シードゥエラー・ディープシーのみに搭載されているシステムです。5mm厚のドーム状のサファイアクリスタルとグレード5チタンの裏蓋をステンレススチールリングが支えることで、3,900m防水を実現しています。
2014年 Dブルーダイアルが登場
2014年にはジェームズ・キャメロンの水深1万908m潜水を称えた記念モデル「Dブルーダイヤル」が発表されます。
一番の特徴は、浅海のようなブルーから深海を彷彿とさせるブラックへと変化する2色のグラデーションダイヤルです。
また、文字盤には潜水艇「ディープシー・チャレンジャー号」の船体カラーをイメージした、ライムグリーンのモデルロゴがあしらわれています。
2018年 ディープシー Ref.126660が登場
2008年の誕生から長らく愛されてきたシードゥエラー・ディープシーは、2018年に10年越しのモデルチェンジを果たします。
ラグがシャープになったりコマ幅が広がったりとデザインも変化しました。特に大きく変わったのはムーブメントです。従来のCal.3135からCal.3235に変更されたことで、70時間のロングパワーリザーブを実現しました。
また、耐震装置のパラフレックス・ショック・アブソーバーや、耐磁性能が高いブルーパラクロム・ヒゲゼンマイなども搭載され、性能が大きく向上しています。さらにカレンダー操作禁止時間がなくなり、利便性も高まりました。
2022年 「Ref.136660」「ディープシーチャレンジ」が登場
シードゥエラー・ディープシーは2022年に再びモデルチェンジが行われ、現行モデルであるRef.136660が登場します。
といってもマイナーチェンジが多く、ケース径の拡大やベゼル、デイト窓のわずかなサイズ変更程度でした。また、このときに裏蓋に使用されているグレード5チタンの名称がRLXチタンに変更されています。
これ以上に注目されたのが同じく2022年に登場した「ディープシーチャレンジ」です。大迫力の50mm径のケースを備え、防水性能も水深11,000mと飛躍的に向上しました。
加えて、裏蓋だけでなくケースやブレスレットにもRLXチタンを採用し大幅な軽量化を実現しているのもポイントです。
シードゥエラー・ディープシーの中古価格
オーバースペックともいえるほどの高性能なシードゥエラー・ディープシーに、心惹かれる方は多くいます。
ここでは、同シリーズを手に入れたい方へ向けて、現在(2024年5月時点)の中古価格を紹介します。
ディープシー Ref.116660
2008年に登場したディープシー Ref.116660は、リングロックシステムやオイスタースチールの導入によって3,900m防水を可能にしたモデルです。
ダイヤルカラーの展開がブラックと2014年に発表されたDブルーの2種類で、選ぶ色によって中古価格が大きく異なります。
ブラック | 150~160万 |
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Dブルー | 200~210万 |
※2024年12月時点
ディープシー Ref.126660
Ref.116660の後継機として発表されたRef.126660は、ムーブメントがCal.3235に代わったことで70時間のロングパワーリザーブを実現しました。基本的なデザインに変更はないものの、ケースの形状やブレスレットの幅などが変わっています。
ダイヤルのカラーはRef.116660と同じくブラックとDブルーの2種類で、こちらもDブルーのほうが高額で販売されている傾向にあります。
ブラック | 160~170万 |
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Dブルー | 215~225万 |
※2024年12月時点
ディープシー Ref.136660
ディープシー Ref.136660は、型番こそ変わったもののRef.126660から大きな変更はないモデルです。ただし、ケース径やベゼル、デイト窓のサイズなど、外観においては多少の変化が見られます。
ブラック | 200~220万 |
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Dブルー | 230~250万 |
※2024年12月時点
ディープシー チャレンジ Ref.126067
ディープシー チャレンジ Ref.126067は、もともと高かった防水性能がさらに向上し、11,000m防水という驚異的な数値を達成したモデルです。防水性に加えて、ケースやブレスレットにもRLXチタンを採用し、軽量化を図っている点も特徴です。
未使用品が600万ほどで取引されています。
シードゥエラー・ディープシーの買取価格の推移
中古の販売価格とあわせて、シードゥエラー・ディープシーを売却した場合の相場も気になるところです。
ここでは同モデルの買取価格の推移を紹介します。
ディープシー Ref.116660
まずは、2008年から2018年まで生産されたRef.116660の買取価格の目安をみていきましょう。
Ref.116660 ブラック
カジュアルでもフォーマルでも使いやすいRef.116660 ブラックの買取価格は120万円程度です。
定価は1,242,000円(税込)であるため悪くない金額だといえますが、デザイン面の特徴があまりないことから、これ以上価値が上がる見込みは薄いと考えられます。
Ref.116660 Dブルー
青と黒のグラデーションが美しいRef.116660 Dブルーはブラックよりも人気が高く、買取価格も150~160万程度と高めです。定価の1,274,000円(税込)で購入した場合は、売却しても基本的にマイナスになることはありません。
ただし、一時期は110万円台まで相場が落ちたこともあるため、手放す場合はその時点での相場を調べることが重要です。
ディープシー Ref.126660
続いて、2018年から2022年まで製造されたディープシー Ref.126660の買取価格の相場を紹介します。
Ref.126660 ブラック
Ref.126660 ブラックは、発売直後こそプレミア価格がついていたものの、2024年12月時点での買取価格は140万程度に落ち着いています。
定価は1,538,900円(税込)であるため大きな利益は見込めません。ただし、相場の変動が少ないため安定感を求める方におすすめです。
Ref.126660 Dブルー
Ref.126660もやはりDブルーのほうが人気であり、買取相場も190万円程度とブラックより高額です。
発売から時間が経過した現在(2024年5月時点)も定価の1,574,100円(税込)より高い価格を維持しているため、購入・売却を検討してみるのもおすすめです。
ディープシー Ref.136660
現行モデルのディープシー Ref.136660の買取価格の目安もチェックしてみましょう。
Ref.136660 ブラック
Ref.126660と大きな違いがないRef.136660 ブラックですが、現行モデルということもあり、買取価格は160万円~180万円程度とRef.126660よりも高めです。
とはいえ、定価は2,043,800円(税込)であるため、今売却するとマイナスになってしまうため、売却時期を慎重に見極めましょう。
Ref.136660 Dブルー
現行モデルも同様に、ブルーのほうが人気で買取価格も200~220万円程度と高めです。最近は少し相場が下がってきているものの、売り時を見計らえば定価の2,087,800円(税込)以上の高値で買い取ってもらえる場合があります。
ディープシー チャレンジ Ref.126067
ディープシー チャレンジ Ref.126067の買取相場は350万前後です。一時は定価(税込3,093,200円)の倍である600万円を超える高値で取引されていましたが、現在(2024年12月時点)は落ち着いてきています。
とはいえ、現時点でも新品・中古品問わず高値での買取が期待できるため、注目しておきたいモデルです。
シードゥエラー・ディープシーを入手する方法
シードゥエラー・ディープシーがほしいと思っているものの、なかなか見つけることができない方もいます。そこで、シードゥエラー・ディープシーを入手する方法を紹介します。
中古市場で探すのがおすすめ
そもそもロレックスの腕時計は正規店での購入が難しく、手間や時間がかかります。特にディープシー チャレンジやRef.136660 Dブルーなどは入手が難しいため、なるべく早く手に入れたい方は中古市場で探すのがおすすめです。
中古市場は比較的商品数が多いため、希望のモデルがすぐに見つかることもあります。ただし、偽物も多く出回っているため、本物かどうか見極めることが求められます。
下記の記事にて本物と偽物の見分け方を解説していますので、中古市場でシードゥエラー・ディープシーを探す前に目を通してみてください。
4月記事「№1_ロレックス」→リンク作成。要編集する!
ディープシーの購入制限に注意
どうしても新品が欲しい場合は販売店に出向く必要がありますが、シードゥエラー・ディープシーは一部購入制限がかかっているため注意しましょう。
購入制限とはロレックス社が設けたルールのことで、転売を防ぎ、より多くの人に自社の腕時計を届けることを目的としたものです。購入制限の対象となるモデルを購入する際は身分証の提示に加え、5年以内に同じモデルは購入できないなどのルールが課せられます。
シードゥエラー・ディープシーで購入制限がかかっているのは、現行モデルのRef.136660とRef.126067です。
すでに上記モデルの購入制限に引っかかっている方で、どうしても手に入れたい場合は下記の方法を試してみるのがおすすめです。
・家族・友人などに同伴してもらい、同伴者名義で購入する
・中古品を狙う
・海外の正規販売店を利用する
まとめ
シードゥエラーから派生したシードゥエラー・ディープシーは、最高レベルの防水性能をもつプロ向けダイバーズウォッチです。シードゥエラーが元になっているものの、機能やケースサイズ、素材などに違いがあります。
無骨でハイスペックなロマン溢れる腕時計を求めているなら、ぜひシードゥエラー・ディープシーをチェックしてみてください。