(2022.1.15追記)
今回は私の大好きな色石(宝石:トルマリン)のお話をさせて頂きます。
この記事は
・宝石のトルマリンについてお知りになりたい方
・宝石のパライバトルマリンについて興味のある方
・価値のある色石について知りたい方
向けに執筆しております。ぜひ最後までご一読頂けますと幸いです。
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そもそもトルマリンとは
まずはトルマリンの基礎知識からいきましょう。
色んなカラーがあることが特徴のトルマリンは、鉱物としては成分によって10種類ほどに分けられます。
実はトルマリンとは1つの石についた名前ではなく、鉱物グループを総称した名前です。
トルマリンの語源には諸説ありますが、スリランカの言語シンハラ語で「混合宝石」を意味するトラマリニに由来とするとも言われています。たしかに語感はとても似ていますよね。
和名は「電気石(でんきせき)」ですが、これはトルマリンの結晶を熱すると電気を帯びる性質から名付けられました。
トルマリンはカラーバリエーションが多くあつかいやすさから流通量も多い為
価格的には比較的安価で販売されています。
その中でも価値の高いトルマリンが存在するのは皆様ご存じでしょうか。
パライバトルマリンとは
日本では任天堂からゲームボーイが発売された1989年1月、米国中西部アリゾナ州ツーソンで開催された世界最大のミネラル・ショー「ツーソン・ショー」にてこの宝石はデビューしました。
「見たことのない“エレクトリック・ブルー”のトルマリンがブラジルから来ている」
この噂を聞きつけたバイヤーたちがこぞってその石に集まりました。
初めてみるネオンカラーのトルマリンに宝石としては異例のカラット単価200ドルの高値が付きました。結局ショー最終日には2万ドルの大台を超えたそうです。
(この相場を吊り上げたのが主に日系のバイヤーたちだったと言われています。)
「サムライ・ブルー」というだけ、日本人は青色が好きなんですね。
宝石属性
名前 |
パライバトルマリン |
英語名 |
Paraiba Tourmaline |
和名 |
リチア電気石(銅リチア電気石) |
色 |
青系(ネオンブルー)、緑系(ネオングリーン) |
グループ(種・変種) |
トルマリン、ショール、ドラバイト、クロムドラバイト、エルバイト、オーレナイト(オレナイト) 、フェルバイト、ユーバイト(ウヴァイト)、フォイタイト、マグネシオフォイタイト、丸山電気石 |
硬さ(モース硬度) |
7-7.5 |
光沢 |
ガラス光沢 |
化学成分 |
Na(Li,Al)3Al6(BO3)3Si6O18(OH)4 |
結晶系 |
三方晶系(六方晶系) |
誕生石 |
10月(※トルマリンとして)
※9月15日の誕生日石 |
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価値を分けるカラーの見方
1.色
パライバトルマリンで価値を大きく左右するのがその色です。
ネオンブルーと呼ばれるこの青緑の発色がとても重要です。
パライバトルマリンの色相は、緑青、青緑、緑、青、および青紫ですが、その中で評価の高い色相はより緑味の少ない緑青〜青〜青紫です。
良いとされるカラーは以下のような色合いが評価が高いです。
(https://mm-museum.com/shopdetail/000000002712/)
評価が低いのはこのようなネオンカラーではないうす付きのお色味ですね。
2.産地
パライバトルマリンは産地により価値、品質が大きく異なる宝石です。
アフリカ産よりブラジル産のものが評価が高いとされています。
理由としては、品質評価、特に色について評価の高い石がアフリカよりもブラジルから産出されるためです。また、産出量が圧倒的にブラジルの方が少ないということから希少性の面でも違いがあります。
3.透明度
内包物は、他の色石同様に少ないほどに評価は高くなりますが、パライバトルマリンのほとんどは内包物が多く存在しますので、石の美観を損ねてしまうようなインクルージョン以外は、特別重要視する必要はなさそうです。
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宝石言葉
トルマリンの宝石言葉には、「無邪気」「潔白」「友情」「寛大」「希望」「安楽」「忍耐」「心中の歓喜」などがあります。
誕生石
トルマリンは10月の誕生石でもあります。
身に着けると幸運を呼び込むと言われる誕生石、10月生まれの方は一つ身に付けておくとよいですよ。
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パライバと偽って販売されやすい石
アパタイト
(引用:https://www.gemstone-wiki.com/016-apatite.html)
いろいろな宝石と似ているということで有名なのが「アパタイト」です。
アパタイト自体も美しい宝石ではありますが、硬度が低くてあまり丈夫とはいえません。
それほど価格が高くない傾向にあります。
そのうえ、大きめのルースが多いという特徴のせいもあって、主に下記のような宝石のニセモノとして出回っているケースがあるようです。
パライバトルマリンは1ct以上の高品質なものでは100万円以上することも珍しくありません。
一方、ブルーグリーンのアパタイトは1ctほどの大きさでも1,000~5,000円程度。高くても1万円前後という価格帯です。
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成分分析書
(https://www.cgl.co.jp/news/10-16/27.html)
通常トルマリンは他の宝石と同じように鑑別書と言う物が発行されます。
そこへパライバトルマリンに関しては成分分析表というのがプラスαで発行可能となります。
この成分分析書から分かる事がいくつかあげられます。
1つは、「色の濃さ」です。
成分分析表のCu銅とMnマンガンの値が高くなるほど色が濃くなる傾向にあるためです。
色については基本的には濃いほうが評価が高くなりますので、Cu銅とMnマンガンの値が高いほうが良い石の可能性が高くなります。
ただし、注意が必要なのは色の評価は濃さだけでなく、明度と彩度も重要ということです。
最高の濃さを持つ色合いだけど、明度がとても低く暗い石であれば魅力も半減してしまいます。
パライバトルマリンにつきましては特にネオンカラーの物が価値が高いとされています。
もう1つは「産地」です。
パライバトルマリンの産地は非常に重要で、アフリカ産よりブラジル産のものが評価されます。
理由としては、前述の品質評価、特に色について評価の高い石がアフリカよりもブラジルから算出されるためです。
また、産出量が圧倒的にブラジルの方が少ないということから希少性の面でも違いがあります。
一方でサイズにおいてはアフリカ産のほうが比較的大きな石が産出されています。
またアフリカ産でもブラジル産に負けないよなネオンカラーを持つ石も産出されることがあります。
従いまして、どちらの産地が優れているかということは一概に言うことはできません。
加熱処理
宝石には「加熱処理、含侵処理」という色を綺麗に見せる為の加工処理がほどこされる事がございます。
この処理はルビーエメラルドに多い処理ですがパライバトルマリンも例外ではありません。
しかしルビーや、サファイアのように古い歴史ある宝石ではない事、加熱の温度も低いという事からその分析が難しいのが現状です。
そのため国内の鑑別機関では「通常、加熱されています。」という文言が記載されて、実際に加熱されているのかどうかの分析は行っていません。
一方でGIAでは、明確に加熱の痕跡がない石には「加熱の痕跡なし」加熱の痕跡がある石には「加熱」というコメントが記載されますが、実際には「現時点では色の起源は判定不能」というコメントが記載されることが多くなっています。
その為加熱非加熱は価値にはそこまで響いてこないのかもしれません。
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ティファニーのパライバトルマリン
パライバトルマリンはあのティファニーでもお取扱いされているのをご存じでしょうか?
そこでどういった物があるのかティファニーに直接お問い合わせしてみました!
なんとパライバトルマリンのようなカラージェムストーンはほとんど一点ものらしく現在店頭には販売が無いそうです。
ティファニーのパライバトルマリンを手に入れるためにはある一定金額の購入をして
季節ごとに開催されるティファニーの商談会に及ばれする必要があるようです。
この金額までは教えて頂けませんでしたがティファニーのパライバトルマリンを手に入れるためのハードルは相当高いようです。
他の希少なトルマリン
パーティーカラードトルマリン(バイカラートルマリン)
一つの石に二つのお色が入っている珍しいトルマリンです。
2色の場合だとバイカラー、3色の場合だとトリ―カラーと呼ばれる事もあります。
最後に
いかがでしたでしょうか
少しでもパライバトルマリンについての認知が広がれば嬉しい限りです。
パライバのようなカラーは勿論、トルマリンは様々な色彩が楽しめるのが一番の魅力です。
お色を楽しみながら、トルマリンに願いを込めてお使い頂ければと思います。
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