皆さんはダイヤモンドに様々なカラーがあることはご存知でしょうか?
今回のブログは、
・ダイヤモンドのカラーバリエーションを知りたい方
・ファンシーダイヤモンドがなぜ違うカラーになるのか知りたい方
・人工的なカラーの処理について知りたい方
に是非読んでいただきたい記事となっております。
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様々なカラーの天然ダイヤモンドがある!?
ダイヤモンドは無色透明の印象が強いですが、ほとんどはわずかに黄色を帯びています。
完全無色なものは高く評価され、それ以外でも鮮やかで魅力的な青、黄色、緑、紫、まれに赤などの多様な色のダイヤモンドも存在し、それらの天然で一定以上の濃さを持つダイヤは「ファンシーカラーダイヤモンド」と呼ばれ珍重されます。
ダイヤモンドは炭素の原子だけを成分としていますが結晶内で、炭素原子を置き換える窒素(黄色)やホウ素(青)などの微量成分の分布様式や原子の欠陥、歪みなどがカラーの発生の原因となっています。
そして人工的な処理によって発色したものは「ファンシーカラー」と呼ばずに区別されます。
また、採掘された素材の特性を十分に生かし、上から見て濃く美しくなるようにカットする為、ラウンドブリリアントカットはされないことが多いのも特徴です。
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カラーの種類
ピンク
ピンク系の天然発色を持つダイヤモンドはピンクダイヤモンドと呼ばれ非常に高価で希少性高いものです。オーストラリア・アーガイル鉱山から産出したピンクパープルが主流です。
ピンク色になる原因は、
・炭素原子の格子欠陥
・炭素原子の配列の僅かな歪み
と言われています。研磨前で1.5ct超えるものはほとんどありません。
品質については、ピンクの濃淡よりも、褐色みのない純色であるかどうかが重要と言われています。
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紫
紫色になる理由は、
・ダイヤモンドが作られる際に結晶構造に圧力を受け特定のスペクトルの光を吸収する性質に変化したこと
だと言われています。
その他、青紫色の物は「ヴァイオレットダイヤモンド」と呼ばれ、こちらはピンクより水素の含有が多い場合に発生するようです。
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青
ファンシーブルーダイヤモンドはブラジルから産出が始まるまでは、インドが唯一のダイヤモンドの産地でした。南アフリカのプレミア鉱山からもごくわずかに産出されるようです。
色が濃くなるほど、グレイみが強くなりブルーが精彩を欠いてしまいます。
・ホウ素を含んでいる
ことが青色になる原因と言われています。
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緑
・空孔と窒素を含むor結晶構造の欠陥
・放射線による炭素原子の置換
によって生まれる。
放射性岩の近くにある鉱床の場合発生することがあります。
ところが、天然のグリーンダイアモンドは非常に希少で、加工処理がしやすいことからも常に「人工」の可能性が疑われ、ラボなどでの慎重な調査が必要です。
↓ラボでの調査結果が「ソーティング」に記載されます。
こちらは珍しい天然のグリーンダイヤモンドでしたね!
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黄色
研磨済みで100カラット以上のダイヤのほとんどは南アフリカが原産地です。
南アフリカのケープ州から産出されるダイヤモンドにはイエローの物が多かったので、イエロー系のダイヤモンドを宝石商では「ケープ」と呼んでいるほどです。別名「カナリア」とも呼ばれています。カラーの原因は、
・窒素の含有により黄色に発色する
と言われており、窒素が多ければ多いほど、イエローが強くなります。
彩度には段階があり、ファンシーライト、ファンシー、ファンシーインテンス、ファンシービビッドがあり、ファンシービビッドは最も色が濃く輝きが強い。
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橙
オレンジダイヤモンドはイエローダイヤモンドの何倍も希少と言われています。
・結晶に窒素を含んでいる
ことでオレンジになると言われています。
その他
ブラックダイヤやブラウンダイヤはカラフルなカラーが中心の、ファンシーカラーダイヤの中には入っていないようですが、比較的流通していて色のあるダイヤモンドとして有名なのでご紹介します。
黒
黒色の原因は、
・グラファイトのインクルージョン
・鉄鋼物のインクルージョン
によるもの。
こちらは、お店にもよく入荷します。
↓ブラックダイヤの商品をお探しの方はこちらからどうぞ!!
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ブラウンダイヤモンド
アーガイル鉱山で豊富に産出され始めた1980年代には、工業化の利用が適していると考えられていました。ピンクダイヤモンドの中で、茶色を帯びたものはブラウンダイヤモンドとして区別されます。
・結晶に窒素を含む
・結晶格子の歪み
が原因でブラウンに発色します。
人工的な処理の方法
ファンシーカラーダイヤモンドその色が鮮やかで濃い色であればあるほど、高値が付けられますが、特に赤、青、紫には最も高い値段が付きます。
その為、今日では無色のダイヤモンドに色を加える技術がいくつも存在します。
無処理の証は、信頼できるラボによる確認で天然と認められる必要があります。
市場が宝石として価値を認めない処理がある?!
1.放射線照射
放射線照射や高温高圧で処理することで、茶色を無色にしたり、ピンクや青色への色の改変を人工的に行える。
低品質のダイヤモンドを加工したものなので、宝石としての価値は低くなる。
2.含浸
面に到達している傷と屈折率がほぼ同じ鉛ガラスを含浸させたダイヤモンドで、傷が見えなくなる加工。ひび割れを埋める粘着剤の含浸なども行われる。
3.レーザー加工
レーザーでダイヤモンドに穴をあけ、ダークインクルージョンを焼き切る加工のこと
その他の処理
染色・・・合成染料で着色する(アゲート)
レーザードリリング・・・レーザーで穴をあけ、内部のダークインクルージョンを除く。(ダイヤモンド)
張り合わせ・・・樹脂やガラスを貼り合わせる(マベパール、オパール)
着色含浸・・・色付きのオイルを含浸させて透明度を上げ、色を付ける。
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市場が宝石としての価値を認める処理
上記以外にも、宝石の色や透明度などの特性の改善を目的として行われる処理もあります。
軽度のオイル又は樹脂含浸
石自体の割れ目が少ない場合などで、無色のオイルをしみこませ、傷を見えにくくする。
色や、透明度、輝きを引き出すための処理(ex.エメラルド)
加熱
300-1800℃に加熱し、色を改善する。
低温の場合は内包物の変化が無いため、無処理の判断が難しいが、高温の場合は内包物が変化するので判別が出来る。
(低温処理の例・・・アクアマリン、タンザナイト)
(高温処理の例・・・ルビー、サファイア)
ルビーやサファイアのソーティングによく「加熱」とありますが、色の改善が行われていたことが分かります。
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KASHIKEY【カシケイ】のブラウンダイヤは天然なの?
それでは、カシケイの代名詞とも言えるブラウンダイヤについては、どうでしょうか?
カシケイのブラウンダイヤは天然のブラウンカラーのダイヤモンドのルースを丁寧にカットしたものです。
濃淡を用いて、ブラウンの色味を最大に生かしたジュエリーを生み出しています。
ナチュラルなカラーで肌になじみやすい、ギラギラしないのが特徴です。
カシケイ公式サイトへ⇩
https://www.browndiamond.jp/about/history.html
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まとめ
ファンシーカラーダイヤモンドについてのまとめです。
・結晶内の窒素やホウ素、原子の欠陥や歪みによってさまざまなカラーのダイヤが生まれる。
・人工的に色を発色させたものはファンシーダイヤと呼ばれない。
・色が濃いほど価値が高く、特に赤、青、紫が高価になりやすい。
いかがでしたでしょうか?カラーのダイヤは一般的ではないので、加工品かと思っていましたが、天然でもカラーのダイヤが生まれているというのに驚きました。
ダイヤモンドに様々なカラーがありますが、実際お店に入荷する事があるのは、「ブラック」「ピンク」「イエロー」です。
加工のされていない、ブルーや紫も是非見てみたいです!
【参考文献】——————————————————————————-
起源がわかる宝石大全 ナツメ社 著/諏訪恭一、門馬綱一、西本昌司、宮脇律郎
決定版 宝石 品質の見分け方と価値の判断のために 著/諏訪恭一
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