スマホ時代の今でも「腕時計が欲しい」と思われる方は多いと思います。
腕につけているだけで大人の男として「ステータス」があるので特別な意味があります。
「異性にモテるから」
「会話のきっかけになるから」
「資産性としての価値が高いから」
など理由は様々あると思いますが、こだわりを形にする腕時計が欲しいと思ったなら、必然的に機械式の腕時計が選択肢に挙がってくるはずです。
とは言え、どうしてもクオーツの腕時計に比べると高額になるのに精度も劣るのも事実です。
今回の記事では「機械式時計の魅力とクォーツ時計との違い」に着目して記事を書いていますので 機械式時計とクオーツ時計と比べてのメリット、デメリットなどを解説します。
また合わせて初めて機械式時計をご購入する方向けに、おすすめのブランドもご紹介しておりますので、ご購入を検討されている方はぜひ参考にしてみてください。
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機械式時計とは
腕時計の針を動かすためには動力が必要で、この動力源のことをムーブメントといいます。
腕時計のムーブメントは「機械式時計」と「クオーツ時計」の大きく2つに分けられます。
「腕時計の歴史」
腕時計の発展には、腕に付けてさえいれば自然にゼンマイを巻ける自動巻腕時計の発達を抜きには語れません。
これらの機械式時計機構の歴史は意外に古く、世界で最初の携帯型の時計に関する真相は未解明で、いまだに研究と議論がされている状態ですが、一説によるとドイツ人のピーター・ヘンラインが16世紀頃に発明したと言われています。
そして1777年に、スイス人アブラアン・ルイ・ペルレが世界で初めて懐中時計のゼンマイ装置の中央軸に固定した振動体を付けることでゼンマイの自動巻き機構を発明し、続いてアブラアン・ルイ・ブレゲが、1780年に分銅振り子を使った自動巻機構を開発しますが、懐中時計という特性上からか、その利便性があまり注目されず、長い間普及しませんでした。
現在では手首に時計をするのは当たり前になっていますが、100年前はそうではありませんでした。
それ以前の人たちは懐中時計を使用し時間を確認していましたが、腕時計の歴史は1914年に始まり1918年に終戦を迎えた第一次世界大戦によって普及したと言われています。
出典:https://www.hamiltonwatch.com/ja-jp/
第一次世界大戦以降に飛行機や戦車、化学兵器などいった、それまでになかった多くのものが戦場に投入され、広く使われるようになりました。
こうした背景もあり大切でポケットから取り出して時間を確認する懐中時計に代わり、すぐに時間を確認できる腕時計の登場は軍事的需要を伴い、新しいものとして市民の生活に取り入れられていきました。
【機械式時計の仕組み】
機械式時計はその名の通り、さまざまなパーツを複雑に組み上げた機械的な構造によって時間を刻む時計のことです。
機械式時計では、その動力源がゼンマイです。
リボン状の金属製ゼンマイを巻き上げてエネルギーを蓄え、それが元に戻ろうとする力を利用して時計の針を動かします。
ゼンマイに蓄えられた動力が、2番車・3番車・4番車と言う「輪列機構」に動力を伝えて針を動かします。
その力を小刻みに放出する「脱進機構」は一定の速度で伸縮するヒゲゼンマイとそれにともなって回転運動をおこなうテンプというパーツからなります。
「脱進機構」はガンギ車とアンクルと呼ばれるパーツからなる「調速機構」に連結しており「調速機構」は、一定の速度で往復するアンクルがガンギ車の回転に等間隔でストップをかけることで「輪列機構」の動きを一定に制御します。
この4つの機構が機械式時計の基本的な仕組みとなります。
出典:https://www.seikowatches.com/jp-ja
ちなみにテンプが1秒に8振動する1分(60秒)のため(8×60)480振動となり、1時間(60分)なら更に60倍となるので(480×60)28,800振動となります。
これが最近のムーブメントに多い28,800振動の意味となります。
「自動巻き」
自動巻き腕時計のことをオートマチックと呼び、腕の動きでローターと呼ばれる半円形の部品が回転して自動でゼンマイを巻き上げます。
普通に毎日つかっていればゼンマイが自動で巻き上げられるのでゼンマイを手で巻きあげるのが面倒だという願いを叶えることになった実用的な機構です。
そのため現在では機械式時計の主流となっています。
「手巻き」
その名の通りリューズを手で回してゼンマイを巻き上げます。
リューズを手で回すことによりゼンマイを巻き上げゼンマイがゆるむ力で時間を刻むのは自動巻きと同じですが、ローターが組み込まれていないためその分軽く、厚みを抑えることができるためスマートな気品が求められるドレスウォッチとして用いられることが多くなっています。
【クオーツ式時計の仕組み】
ゼンマイにかわり電池から得られる電気エネルギーは、クオーツ式時計の名前の由来にもなっている水晶振動子に電圧をかけICで時間をカウントしてステップモーターで針を動かす仕組みがクオーツ時計の原理です。
アナログ表示の時計の場合は機械式時計と似た輪列機構になりますが、動力が全く違います。
出典:https://www.jcwa.or.jp/index.html
水晶は電圧をかけると1秒間に32,768回という細かい一定の振動を発しこれが機械式時計のテンプに相当しますが機械式時計の約4000倍の高速振動のため経年劣化しやすく10~15年ほどで寿命を迎えます。
ICは水晶振動子の振動数を感知(カウント)をする電子回路となっており1秒ぶんの振動に達するたびにステップモーターに信号を送り「カチ・カチ」と秒針が進む仕組みとなっています。
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機械式時計のメリットとデメリット
メリット1 継続して利用可能
クオーツの時計は電化製品と同じで中の電子回路の寿命は一般的に10~15年ほどだと言われています。
電子回路や液晶が壊れた場合は修理ができない事もあり、修理対応できる期間が限られていたり、電子回路そのものを交換することとなるため新品で購入するより修理代の方が高くなる事もあります。
一方で機械式腕時計は歯車などのパーツを一つずつ組み立てて作られているため20年以上たった時計であっても修理対応をするメーカーがほとんどです。
定期的なメンテナンスは必要ですが、孫の代まで使える時計として長く使い続ける事ができます。
メリット2 圧倒的な造形美
たくさんの歯車と本当に小さい部品がいくつも組み合わされる機械式のムーブメントは細部にわたって美しく、その美しさが見せ場となっています。
時計そのものがスケルトンになっていたり、裏が透けている(シースルーバック)の時計があるようにメーカーの高い技術力の結晶が腕時計の中に詰まっています。
またトルク(力)が大きい機械式の時計の魅力で、大きく長い針を搭載することができ、クロノグラフやGMTなど、多くの複雑な機構も同時に搭載できるため、機能性も非常に豊富になっています。
メリット3 驚愕の資産性
長い歴史と伝統のある名門ブランドが多く、高い技術力で付加価値をつけている機械式の腕時計は資産性が高く、リセールバリューが良いのも特徴です。
現在の時計市場では代表的なブランドだとロレックスやパテック・フィリップ、オーデマピゲなどは高値で取引をされており、こういったネームバリューのあるブランドの人気モデルを使用していれば、使っているだけで値上がりなんてことも期待できるかもしれません。
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デメリット1 精度が劣る
機械式時計にクオーツ式時計と同等の精度を求めてはいけません。
クオーツ式時計では、月や年単位で数秒のズレが出る程度ですが厳格な検査をクリアしたクロノメーターと呼ばれる機械式時計でも1日のズレが-4秒から+6秒程度となっているためクオーツの腕時計の精度には到底及びません。
デメリット2 ランニングコストがかかる
機械式時計は精密な製品だけにしっかりしたメンテナンスが必要です。
数年に一度はオーバーホールと呼ばれる分解掃除が必要ですが、複雑な機構を搭載したモデルほどメンテナンス費用も高額になる傾向があります。
デメリット3 機械式時計は大切に!
機械式時計は細かなパーツで組み立てられているためとても繊細に作られています。
そのため、衝撃にあまり強くありません。また、金属を多用しているため、磁気の影響を受けやすく、スマートフォンなど磁気を発するものの近くに置くと故障の原因となるため取り扱いには注意が必要です。
結局どっちがいいの?
時間も正確で電池交換の必要もありませんのでメンテナンスフリーを求めて使い捨てでもいいと思えるなら私は「電波ソーラー」の時計でも良いと思っています。
しかし10年ほどしか使用できないデメリットはありますし、やっぱりちょっと元足りないなんて意見も良く耳にします。
そしてより視野性を重視した本格的な腕時計が欲しいと思うのであればやっぱり「自動巻き」の時計ではないでしょうか?
普通に使っていれば動き続ける自動巻きの時計ですが、週末にしないなどを考えると60時間以上のパワーリザーブは必要になってくるかもしれません。
どうして「自動巻き」なのか?
私が自動巻きの時計をおススメする理由はメリットでも書かせて頂きた内容となりますが、末永く使い続けられるという点になります。
そして小さなケースの中に機能性以上にそのアナログな味わい深さに価格に見合うだけの価値があると思っています。
そのため私たちの店舗でも男性にとって貴重なファッションアイテムでもあるため売れています。
そんなお客さまからは「 メンテナンス」に関して聞かれることが多くありますが、一流ブランドの高級時計なら100年以上は持つように設計され、修理用のパーツも保管されているのが一般的ですので世代を超えて使えますが、機械式時計には定期的なメンテナンスが必要です。
歯車や軸受けの磨耗、潤滑油切れがありますので3~5年が一つの目安です。
特に時計を使っていなかったとしても、潤滑油は4年で経年劣化していくので1年に数回しか使われていなくても10年に1度はオーバーホールに出された方が良いと言えます。
オーバーホールはメーカーと社外とありますが、私は社外で十分だと思っています。
理由は内部の部品や文字盤や針など大幅に交換するような大きな修理や特殊な機構の時計の場合はメーカー修理をおススメしますが、定期的なメンテナンスの場合ですと内部の部品交換をするような事も少なく、内部の歯車などの流用パーツなども準備しているため全然違うパーツを使われることはまず考えられません。
また基本料金に大きな違いがあります。
一般の修理工房でオーバーホールをする場合の基本料金は20,000~40,000円が一般的です。
クロノグラフ等の複雑時計では40,000円以上はかかりますが、それでもメーカー修理の半分ほどでメンテナンス費用を抑えることができます。
とは言え、大切な時計をメンテナンスに依頼される業者はしっかり調べられることをおススメしますが、5年で40,000円以上のメンテナンス代と考えると私なら修理費が30,000円ほどで済む通常の3針モデルかGMT機能までの時計を長く使用したいと思っています。
どんな時計を選ぶべき?
一般的には機械式時計と聞くとロレックスやオメガがよく知られていますが、それ以外にも高級腕時計メーカーはたくさんあります。
ではどのような時計を選ぶべきなのでしょうか?
長く使えるものを選ぼう
高級時計を何本も買えるようなお金に余裕がある場合は別ですが、まずは一本を大切に使っていきたいと考えるならば、流行りに左右されないベーシックなデザインを選ばれることをおススメします。
ファッションブランドが出している時計もありますが、時計専門のメーカーを選んだほうが、サポートもしっかりしていますし、長く使うことができます。
トレンドはあまり追い求めず、長く使えるものという観点から、定番のものを中心に探すことをおススメします。
サイズ感を考えて
たとえば華奢で手首が細いのに、サイズの大きい時計を選ぶと手首まわりだけが浮いて見えてしまいます。
腕時計のケースはだいたい38mm~40mmくらいが一般的で、42mmを超えるとかなり大きく感じます。
また、厚いケースだとシャツの袖まわりがぱんぱんになるので、スーツスタイルにはあまりオススメできません。
こんな人のおススメの腕時計
資産価値を求める人
■ロレックス
114270 エクスプローラーⅠ
ロレックスの資産価値は高く高級腕時計の中でも1・2を争うレベルです。定価に対しての換金率が100%を超えるモデルが多く人気が高いブランドだけに希少価値があがりやすいです。
人気も高く資産としての価値も期待できるため満足度も高くなるので機能性や便利さ以外の資産価値に注目しても面白いかもしれません。
メカニカルが好きな人
■オメガ
3513.50 スピードマスターデイト
小さなケースの中に何百もの微細なパーツを組み込んで作り上げるという製造方法を今も変わらず続いています。
機械式時計は単なる道具ではなく、各メーカーの歴史とプライドも合わせて所有する事になり伝統工芸という側面も持っているのでこうした世界にロマンを見出す人には機械式時計は特別な存在になりかもしれません。
オシャレが好きな人
■グランドセイコー
SBGJ001 メカニカルハイビートGMT
手作業で作られており、大量生産ができないため、高級時計としてステータスを主張できるアイテムとなっていいます。
ある程度の年齢となり地位が上がって周りからの見られ方を気にしなければならない人、ファッションに対するこだわりを主張したい人は、やはり機械式時計を選ぶと男としてのステージも上がるかもしれません。
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まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は時計の基礎知識として時計内部の機構についてご説明をさせて頂きましたが、時計には機構以外でもケースサイズや文字盤のカラー・タイプ(ダイバーやパイロット)などでも選ぶことができますが機械式時計は安い買い物ではないため納得いく時計を選ばれることをおススメします。
機械式時計には、知れば知るほどその奥深さに魅了されていくことは間違いありません。
愛着を持って使いつづけられる1本はきっと見つかりますので、あなたの毎日がより充実して楽しくなる時計が見つかる事を心よりお祈りしております。
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