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機械式腕時計の魅力は?手巻き時計と自動巻き時計を比べてみた!!【茜部】

デジタルの便利な時計がある今でも、なぜ機械式腕時計も愛され続けているのか?

その仕組みを知る事で時計の奥深さやロマンを垣間見る事ができるのではないでしょうか。

この記事を読んだ後は、腕時計の魅力を誰かに伝えているもしれません!

腕時計には、大きく分けて「機械式」と「クオーツ式」の2つがあります。

機械式腕時計とは

巻き上げたゼンマイがほどける力を動力源として、それがかみ合い動く事で時間を表示します。

クオーツ式腕時計とは

電池を動力源として水晶に電圧を加えて、電気信号に変えて時間を刻みます。

今回は【機械式腕時計】について記事を書いています。

仕組みや特徴に併せて具体的にオススメの時計も紹介していきますので、自分に合う時計探しのお役に立てられればと思います!

機械式時計には「自動巻き時計」と「手巻き時計」がありますが、歴史的に最初に登場したのは「手巻き時計」です。

手巻き時計とは

手巻き時計はその名の通りリューズを手で回してゼンマイを巻き上げます。

参照:https://www.grand-seiko.com/jp-ja

リューズを手で回しゼンマイを巻き上げ、ゆるむ力で時間を刻みます。

メリット

手巻きの時計は伝統を感じさせる「魅力」があります。

薄くて軽い

手巻きの時計は自動巻きにある「ローター」がないため軽く、厚みを抑えることができます。

ドレスウォッチなど袖口に引っかかりにくいスマートさが求められる時計には、手巻きが採用されることが多いです。

愛着心が増す

手巻き時計は定期的に巻くことで、使うほど時愛着が増していくのが手巻き時計の魅力です。

毎日決まった時間に巻きあげる事で、時計と会話をしている感覚になります。

余裕のある大人の時計は「手巻きでしょう!」というファンが多いのです。

修理代が安い

手巻きは自動巻きに比べると、部品が少ないためパーツ同士の摩耗が少なく、オーバーホールなどの修理費が安くなる傾向があります。

またローターが外れるなどの自動巻きにはよくあるローター絡みのトラブルがありません。自動巻きより衝撃にも強いというメリットもあります。

デメリット

 精度が安定しづらい

日常動作で常にゼンマイが巻きあがる自動巻きに比べると、手巻き時計は構造上、精度が安定しづらいです。

手で巻き上げないと止まる

使うたびに手で巻き上げないと止まってしまうため、リューズを巻いたり、時刻を合わせるのが手間と感じる人も多いです。

最近では一度巻き上げると3~7日以上も動き続けるという「ロングリザーブモデル」も登場しています。

選択幅が少ない

現在流通している機械式腕時計は自動巻きのため、手巻きムーブメントを搭載するモデルは少なく、製造しているブランドも限られます。

手巻き時計は素材が金(K18)やプラチナを使用しているモデルが多く、量産しないことから、価格も高くなる傾向があります。

 使用上の注意点

手巻きの時計ならではの「注意点」もあります。ゼンマイを巻き上げるリューズは止まった状態から使用する場合、通常約40回前後巻きあげる必要があります。

ゼンマイがすべて巻き上がると手巻きができなくなり、この状態を「巻き止まり」といいますが、巻き止まりの状態から無理に巻き上げようとするとゼンマイが破損してしまうため、注意が必要です。

巻き止まりがないモデルも存在しますが、巻きすぎには注意が必要です。

また、毎日決まった時間に巻くのが良いと言われています。

理由は巻いた時から次に巻く時までの間隔が一定(24時間)になり、時間が安定しやすくなります。

こんな人におススメです

ドレスウォッチとしての側面もあるため、若干の偏見はあるかもしれませんが、私個人の印象としては社会で言う成功者の方(お医者さまや弁護士の先生、会社の社長さま)に愛用されている方が多いように感じます。

巻かないと止まってしまう手巻きの時計は、機械に生命を吹き込んでいるような感覚があり「ロマン」を感じます。

時計通で時計に強いこだわりを持つ方が所有している印象です。

自動巻時計とは

自動巻き腕時計のことをオートマチックと呼び、腕の動きでローターと呼ばれる半円形の部品が回転して自動でゼンマイを巻き上げます

参照:https://www.grand-seiko.com/jp-ja

ゼンマイが自動で巻き上げられるため、自分で巻く必要のない機構です。

メリット

自動巻きは定期的にゼンマイを巻く必要がないため「利便性」が良く「実用性」も高いです

選択枠が多い

自動巻きは手巻きに比べ、多くのメーカーが複数のモデルを発売しています。

そのため低価格帯から超高額モデルまで、幅広い選択肢から選べます。

各メーカーが自動巻きに力を入れているのは「手巻き時計」よりも「自動巻き時計」の方が技術力を求められるため、各時計メーカーがしのぎを削っています。

止まらない

身に着けていれば自動でゼンマイを巻き上げるため、自分でリューズを巻く必要がなく、基本的には止まることはありません。

手巻き時計でゼンマイを手で巻くことを不便に思う方には大きなメリットになります。

使わない時もワインディングマシーンで時計を動かしていれば止まりません。

精度が安定している

日常の動作でゼンマイが巻きあげる自動巻きは、常にゼンマイの駆動力に十分なエネルギーを保っているため精度が安定しやすいです。

一般的に1日10時間ほど着用することで精度が安定すると言われています。

デメリット

修理費が高くなる

自動巻きはムーブメントの構造が複雑なため、メンテナンスにかかる費用も手巻きより高くなる傾向にあります。

一般的なオーバーホールの場合ですと40,000~80,000円が基本料金となり、クロノグラフなどの複雑な機構モデルになると80,000円以上はします。

「パテック・フィリップ」などの雲上ブランドになると、本国スイスに送らないと修理費が分からない場合もあり、このようなケースになると300,000円を超え、修理期間も6ヵ月以上なんてこともあります。

大きくて重たい

シンプルな手巻式に比べるとローターなどの自動巻きの時計には搭載されているパーツが多く、大きくて重たくなりやすいです。

自動巻きでありながら「マイクロローター」を搭載した薄型設計されているモデルも存在しますが、通常モデルより割高になります。

衝撃に弱い

細かいパーツで組み立てられ、繊細ですので「衝撃」には強くありません。

自動巻き時計にはローターと呼ばれる部品があり、手巻き時計よりも衝撃には弱いです。

そのため、ゴルフや野球などの腕に衝撃があるスポーツや激しく体を動かす時は外した方が良いです。

ムーブメントで選ぶ

機械式ムーブメントの発展はブレゲにより「時計の歴史を200年早めた」「現在の時計機構の3/4を発明した」とも言われています。

時計の世界三大複雑機構と言われる「トゥールビヨン」「ミニッツリピーター」「パーペチュアルカレンダー」を発明しました。このような複雑な時計は現在でも数百万円~数千万円の価格になっています。

その他、代表的なムーブメントを次に紹介いたします。

エル・プリメロ

ゼニス社が1969年に発表した世界初の自動巻きクロノグラフムーブメントがエル・プリメロです

参照:https://www.zenith-watches.com/jp_jp/movements

エル・プリメロとは「No.1」や「第1の」を意味し「毎時36,000振動(1秒間に10振動)」というハイビートで50時間のパワーリザーブを誇る傑作ムーブメントです。

エル・プリメロは発表から50年以上たった現在でも、最も精度の高い世界最高峰のクロノグラフムーブメントと呼ばれています。

ロレックスがデイトナ用の自動巻きクロノグラフムーブメントを開発していた際、自社開発を諦め「エル・プリメロ」を選んだという逸話もあります。

コーアクシャル

コーアクシャル機構はオメガだけの画期的なムーブメントです。

参照:https://www.omegawatches.jp/

脱進機の摩擦軽減によりメンテナンスサイクルを長期化できる夢のようなムーブメントです。

一般的な機械式時計では3~5年に一度の「オーバーホール」が必要ですが、コーアクシャルの場合は8~10年が目安となっています。

こんな人におススメです

機械式腕時計は毎日つけていれば時計が止まる事がないため、利便性を求めながらも時間は知りたいという、仕事の出来る「ビジネスマン」が着用している印象です。

実際にロレックスやオメガ・ブライトリングといった人気ブランドもほとんどが、自動巻きに注力しており、技術が必要で大量生産ができないため高級時計としての価値を不動のものとしております。

周りからの「見られ方」を気にしなければならない人や、ファッションにこだわりを主張したい人は自動巻き時計がオススメです。

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スプリングトライブとは

今まで紹介してきた時計のムーブメント(機構)ですが、「機械式」「クォーツ」に次ぐ第三新たなムーブメントがありますので紹介したいと思います。

日本のセイコーが開発した、自動巻き時計とクオーツ時計のメリットを合わせ持つ「スプリングドライブ」です。

機械式時計のゼンマイを利用しつつ、それを電気信号に変えてクオーツ式時計のような正確な時間を表示します。

 

参照:https://www.grand-seiko.com/jp-ja

機械式時計ならではの大きなトルクと、高い精度を有するクオーツ時計を融合したハイブリッド型のムーブメントです。

参照:セイコーミュージアム 銀座

ゼンマイを動力源にしているため太い針が動かせるので飽きのこないデザインで作れます。また電気信号で制御されているため、クオーツ式に近い機械式時計ではありえない精度を実現しています。

2004年に誕生してから20年も経っていないので搭載モデルが少なく、構造上ムーブメントに厚みがあり大きめですが、進化を続けて多機能化と小型化が進むと思われます。

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機械式時計を選ぶ理由

機械式時計を選ぶ理由は「資産性」「ステータス」などありますが、最大の魅力は「寿命の長さ」だと思います。

高級腕時計メーカーのものは長く使える設計となっています。

クオーツの時計やスマートウォッチは電化製品と同じで中の電子回路の寿命は一般的に10~15年ほどだと言われています。

電子回路や液晶が壊れた場合は修理ができなかったり、修理対応できる期間が限られていたり、電子回路そのものを交換したりして、新品で購入するより修理代の方が高くなる事もあります。

しかし機械式腕時計は歯車などのパーツを一つずつ組み立てて作られているため、20年以上たった時計であっても修理対応をするメーカーがほとんどです。

定期的なメンテナンスは必要ですが、孫の代まで使える時計として末永く使う事ができます。

またスプリングドライブは水晶振動子や集積回路(IC)を使用していますが、電子回路は使用していませんので、クオーツ時計のように明確な寿命はありませんし、オーバーホールを定期的にすれば長く使う事ができます。

愛着を持って、ずっと使いたいという方には機械式腕時計をおススメします。

どっちがおススメなの?

「自動巻き時計」と「手巻き時計」のどちらが良いか、こればかりは本当に人それぞれです。

今までの記事を読んで頂き、もう時計初心者ではないあなたなら、それぞれの良さがお判りいただけたと思います。

「ゼンマイを巻くのが面倒かどうか?」

でまずは分かれるところだと思いますが、

あとは「デザイン」「機能」「ブランド」「歴史」「機構」など選ぶ基準はさまざまですので、自分の基準で選ぶのが一番だと思います。

どれなら“自分がずっと大切にできるか”を考えて選べば間違いないと思います!

ちなみに私は20代の時に「自動巻き」時計を初めて購入しました。

伝統と技術を感じる機械式時計を60代になっても使い続けようと思います。

しかし毎日手で巻くほど几帳面でもないため「自動巻き」時計を選びました。

時計に関する「夢」は世代を超えて受け継ぐこともできるので、機械式時計の最大の魅力は「長く使える」ことだと思います。

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まとめ

今回は腕時計の初心者でも機械式の腕時計の魅力をお話しさせていただきました。

自動巻きや手巻き、スプリングドライブなどいろいろとありますが、一度私たちみたいな中古品を売っているお店で、実際に一度手に取り「ちょっと試着してみる」だけでもイメージが変わると思います。

今回の記事を参考にしていただき「一生使える」腕時計を選んでいただけると幸いです。

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